KANOE
黒いシャツを着て仕事場に立つ人

ケース仕組み化営業と集客会員の声 第7回

続かないのは、意志のせいですか?

体験ではやる気になった方が、一か月後には来られなくなることがありました。火曜日の予約が一度変更になり、翌週も難しくなる。その後、連絡が少しずつ途切れていきました。

この記事は、サイト構築時のサンプルです。実在の取材に基づくものではありません。

来なくなった火曜日

体験ではやる気になった方が、一か月後には来られなくなることがありました。火曜日の予約が一度変更になり、翌週も難しくなる。その後、連絡が少しずつ途切れていきました。

私は一人でパーソナルトレーニングを行っています。初回には目的を聞き、通う頻度とメニューを考えます。当時は、無理のない提案をしているつもりでも、頭の中には理想の通い方がありました。そこへ生活を合わせてもらう説明になっていたのだと思います。

来られなくなると、もっと励ました方がよかったか、目標を分かりやすく伝えるべきだったかを考えました。でも、その人が火曜日の夕方に何をしているかは知りませんでした。運動したい気持ちは聞いていても、運動へ来られなくなる理由は、十分に聞けていなかったのです。

火曜日の空いた枠を見て、私は別の予約をどう入れるかを考えていました。もちろん経営には必要なことです。でも、来なくなった人がどんな気持ちで予定を消したかには、ほとんど目を向けていませんでした。そのままでは、同じ理由でまた誰かが来づらくなると思いました。

続かない理由を聞く

続かなかった方へ、差し支えない範囲で理由を聞きました。内容が嫌だったわけでも、運動をやめたかったわけでもない。仕事の予定が読めず、一度変更をお願いすると、次も迷惑をかける気がして予約しにくくなったそうです。

私が用意していたのは、予定どおりに来られる人のためのメニューでした。来られない週にどうするかは、その都度考えることになっていました。本人にとっては、毎回できなかった説明をする負担もあったのだと思います。

そこで、できる日を聞く前に、難しくなる場面を尋ねるようにしました。会議が長引く日、家族の予定が重なる時期、仕事の繁忙期。事情を言い訳として受け取らない。その姿勢を、言葉だけでなく予約や相談の方法でも示す必要がありました。

理想の週二回を手放す

経営者仲間が「火曜は会議で必ず遅くなる」と話したとき、予約が途切れた方のことが重なりました。やる気を確認する前に、その曜日を選ばない方がよかったのかもしれません。

次の相談では、週二回を最初から前提にしませんでした。まず生活の予定を並べ、その人に可能な通い方を探しました。自宅で行う短い内容も、本人の状態を確認したうえで、一緒に選びます。一般的なメニューを一律に配って、空いた日にこなしてもらう形にはしませんでした。

最初は一定の期間だけ試し、続け方を振り返ることにしました。通えた回数だけでなく、予定を変えるとき何が負担だったかを聞きます。頻度を減らすこと自体が答えではありません。その人が戻ってこられる条件を、一緒に確かめたかったのです。

本人に予定を話してもらうと、都合のよい週と忙しい週で差がありました。平均の一週間を作るより、崩れた週にどう戻すかを決める方が実際的でした。計画に余白を残すことは、やる気を低く見積もることではないと考えました。

励ましが責める言葉になる時

「少しでも頑張りましょう」。以前は、そんな励ましをよく送っていました。でも、本人が既に仕事や家庭で頑張っているとき、もう一つできていないことを指摘する言葉にもなります。

ある方に、予約の変更を申し訳なく思わなくてよいと伝えると、「でも、来ないとやる気がないと思われますよね」と返ってきました。私はそう思っていないつもりでも、できた回数ばかり褒めていれば、そう受け取られることもあると気づきました。

それからは、できなかった週を取り戻す計画より、次にどう戻るかを話すようにしました。できたことを認めながら、できなかった理由も情報として扱う。励ます言葉を柔らかくするだけでなく、振り返る基準を変える必要がありました。

医療へつなぐ線引き

生活に合わせるといっても、体調を確認せずに何でも勧めてよいわけではありません。私の範囲で判断できないことがあれば、医師や理学療法士などへの確認を促します。

専門職の知人には、個人の事情を勝手に共有せず、どんな場合に自分の判断だけで進めないかを相談しました。本人の情報を扱うときは、目的と同意を確かめます。親しく話せる人がいることは、何でもその場で決めてよい理由にはなりませんでした。

初回の体調確認に加え、その日の状態も聞きます。痛みや違和感を我慢することを努力として扱わず、中止や確認が必要な場合の対応を決めました。続けるための支援だからこそ、休む判断も含めたい。効果や安全を一律に約束するのではなく、本人が不安を話せる関係を作ることを大切にしています。

専門の人へ確認することを、本人に見放されたと感じさせない伝え方も考えました。私が判断しない理由と、その後に何を一緒に確認するかを説明します。任せる範囲をはっきりさせても、相談をそこで終わらせる必要はありませんでした。

回数券の前に生活を聞く

回数券の説明をする前に、来られる時期と難しい時期を聞くようになりました。買った後に使い切ることが新しい負担にならないかも、本人と話します。

振替や連絡のルールも見直しました。いつでも無制限に対応するのでは、私の仕事が続きません。変更できる範囲と、難しい場合の扱いを先に伝えます。予約を守るためのルールであると同時に、困ったとき何を相談できるかを分かるようにする説明でした。

最初の相談、短い試行、その後の継続を分けると、本人も一度始めたら同じ形で続けなければならないとは思わなくなります。私も長く通ってもらうことだけを急がず、合わない理由を早く聞けるようになりました。目標の前に暮らしを聞くことが、仕事の入口になりました。

予約変更の連絡にも、長い理由の説明は求めないようにしました。必要な確認と、本人の負担になる説明を分けるためです。

戻ってこられる仕組み

忙しい月が過ぎた後、しばらく来られなかった方から予約が入りました。「また最初からになりますが」と言われたので、今の状態から考えましょうと返しました。

その方は、通えない期間も、自分にできる短い内容を選びながら過ごしていたそうです。だからといって、誰でも同じように継続できるとは言えません。ただ、以前なら連絡が途切れていたところで、また相談してもらえた。その変化は、私にとって大切でした。

本人が予定や体調を話し、私はその中で扱える範囲を考える。必要なら別の専門家へ確認する。教える側が正しい計画を作って渡すだけではない関係になりました。運動の回数だけでは見えない、戻ってこられる安心を残せたのだと思います。

戻ってきた方とは、以前の予定をそのまま再開しませんでした。生活も、そのときの状態も変わっているかもしれないからです。空いていた期間を埋めようとせず、今続けられる形を改めて話す。そのやり取りを含めて、私の支援だと考えるようになりました。

意志に頼らない運動習慣

続かない理由は、一つではありません。意志が関係しないと言い切りたいわけでもありません。ただ、仕事や家庭の事情、予約の仕組み、相談しにくさを見ないまま、本人の気持ちの問題にしたくないと思っています。

違う仕事をしている人から一週間の話を聞いたことで、私の理想の頻度が、その人には現実的でないことに気づけました。専門職へ相談できる関係ができたことで、自分の役割と、任せるべき部分も前より明確になりました。

今は生活に合わせて戻ってこられる運動習慣を一緒に作っています。体力に自信がない方も、続けられない理由からお聞きしています。最初から立派な目標を用意しなくても構いません。忙しい一週間のどこに余地があるかを、一緒に見るところから始めています。

営業前に考えておきたいこと

顧客理解:運動できる日ではなく、できなくなる場面を先に想像できているか。

小さな実証:週二回を前提にせず、自宅で十分できる短いメニューと振替ルールを作りました。

仕事の境界:体調確認と中止基準を設け、成果や安全を断定せず、個人情報も慎重に扱います。